だいぶ以前の話になるのだが、それはとある猛暑の夏の日の出来事。
アイドリングもできないとある閑静な住宅街。車中での張り込み中に、その事件は起きたのだった。
夏になるとどうしても水分摂取が増えてしまう。
張り込み中は極力水分を摂らないように、工夫を凝らすのだが、この日も例外ではなく、お茶にスポーツドリンクにレモンティーとペットボトルが次々と空っぽになっていった。
さすがにほとんどトイレに行く事のない僕であっても、トイレがだんだん近くなる。
2時間、3時間…。
まだ出て来ない。
5時間、6時間…。
おーい!!こういう時に限って対象者は姿を現してくれないのである。
現場は出入り口が複数あるマンション。それぞれの出入り口を各調査員が押さえているため、他の調査員は動けない。
しかも、僕の張り位置は、一瞬たりとも目が離せない場所なのである。
尿意の我慢も限界に達し、猛暑による汗と尿意による冷や汗が入り乱れていた。
モレる!モレる!モレるっ!!
このままじゃ、小学校2年生の時以来のおもらしになってしまう…!!(汗)
ヤバい!ヤバい!ヤバいっ!!
神に祈る思いの中、ふと気づけば目の前には、空になったレモンティーのペットボトルが!!
迷っている暇はない!!
我慢に我慢を重ねた結果、レモンティーの空きボトルに放尿ーっ!!
あ〜、極楽じゃ〜。
この幸せの瞬間を皆さんも一度は経験した事があるはずだ。
さすがに数時間も我慢を続けた結果、尿の量もハンパではない。
レモンティーのペットボトルはあっという間に満タンになったのである。
キュ、キュッと蓋を閉めたその時!
なんと、満タンのレモンティーが復活したではないか!!
どういう事かって?
それはご想像にお任せ致します。(笑)
さらに、その後も張り込みは続いた。
暑さで意識がもうろうとする中、喉の渇きを潤おそうと、ふと手にしていたものは、そのレモンティーのボトルであった!
無意識に蓋を開け、口にしようとしたその瞬間、臭いで「ハッ」と我に返り、九死に一生を得たのであった。